HOME > 多重人格探偵サイコについて



はじまり

1997年「少年エース」2月号、『多重人格探偵サイコ』は産声をあげる。
本来ならば1月号からの連載であったが、角川の役員に印刷所の輪転機を止められるという事件によりそのスタートは僅かながらも躓いた。しかし、大塚英志、田島昭宇の新作という話題性、当時の流行であった「多重人格モノ」という要素、そしてメディアからの批判という「追い風」に乗り、『多重人格探偵サイコ』は加速し「少年エース」の看板作品として連載し続ける間、ノベライズやトレカ・映像版そして新劇とマルチメディアな展開をしつつ10年間を走りぬけ、2007年より新雑誌「コミックチャージ」にその活躍の場を移し現在最終章を迎えている。


ストーリーについて

サイコには3つの物語が存在する。
ひとつめは『本編』。2008年現在「コミックシャージ」にて連載中のまんが版である。序盤はグロテスクな描写もあり、いくつかの県では青少年保護育成条例に基づく有害図書に指定されている。しかし田島昭宇による美しい画力、個性溢れるキャタクター達、秀逸なシナリオと、序盤こそこの物語を語る上で見逃す事の出来ないものであり、その審判は実際に手にとって自分自身の目で確かめて欲しい。
ふたつめは原作者大塚英志による小説版『サイドストーリー』。本編では語られることのなかった人物や出来事を中心に物語が展開する。また、まんが板とは矛盾する部分や設定が違うこともあるがそれは作者の意図的な狙いである。そしてスターシステムの名のもとに大塚英志他作品からもキャラクターが登場しだした作品群としても注目すべきである。
みっつめは『番外編』。というよりアナザーストーリーであるもうひとつのサイコといったところか。映像版、新劇版がこれに該当する。映像版は鬼才・三池崇史の監督でTVドラマ化。2000年にWOWOWにて放映され好評を博した。主人公雨宮を保坂尚輝がつとめる他、中嶋朋子、大杉漣、裕木奈江といった演技派俳優陣が脇を固めている一方、栗山千明や田口トモロヲ、三浦理恵子に混じって、大塚ギチも出演。影ではスタッフに叩かれつつも素人らしからぬ演技がマニアの見どころ。


作者紹介
大塚 英志(おおつか えいじ)
1958年 東京都生まれ
評論家、小説家、漫画原作者、編集者
代表作『漫画ブリッコ』『戦後まんがの表現空間』『サブカルチャー文学論』『彼女たちの連合赤軍』『魍魎戦記MADARAシリーズ』『多重人格探偵サイコ』『木島日記』等多数

田島 昭宇(たじま・しょうう)
1966年 埼玉県生まれ
漫画家、イラストレーター、キャラクターデザイナー
代表作『魍魎戦記MADARA』『多重人格探偵サイコ』等